民主党代表選 雑感

現職の菅直人小沢一郎を破って再選。

国会議員票は僅差。党員・サポーター票は菅氏が圧倒的に多く、地方議員票はそれにひっぱられる形で菅氏が多数を取った。

 ここで気になるのは、国会議員票と党員・サポーター票の乖離だ。
「永田町の常識は世間の非常識」などと分かったようなことを言ってしまえば済むのかも知れないが、あまりにも違いが大きすぎることに危機感を感じてしまった。

 私は菅代表の任期がまだ短く、この段階で交代するほどの失策はまだしていないということと、影の実力者小沢氏の虚像があまりにも大きく、期待が大きすぎる分反動が怖いという点から、菅氏を消極的に支持していた。だから小沢氏が勝った方が良かったとは思わない。しかしこの結果を素直に受け取ることはできない。

 国会議員の選択と一般党員やサポーターの選択を比べたとして、果たして一般党員の選択が正しく国会議員が間違っているのだろうか。

 国会議員には柵(しがらみ)があり、利害関係もある。だが、それだけで投票先を選んだとは考えたくない。仮にも政治家を志す人なのだから、日本の現在と未来を考えていないはずはない。そして、一般国民から見える景色の他に、国会議員だけが見える景色はもあるはずだ。
 国会議員は選良だから常に一般国民よりも正しいなどと言うつもりはないが、金と権力に弱い愚か者だと見下すのも正しいとは思えない。

 国会議員の方がより実物に近い物を見ており、一般国民はマスコミというフィルターを通して見ている。自分が見ている物こそが正しいと思うのは当然だが、このフィルターが偏光したり曇っていたりしていることを折に触れて疑ってみなければならないと改めて思った。
 その反面、巨星により近い方が重力の影響をより強く受けており、離れている方が自由な立場にある。とも言えるかも知れないけど。


 まあ私も、結果として消極的にせよ支持していた側が勝ったので余裕を持って話が出来るが、反対側が勝っていたら「投票しているのは何も分かっていないバカどもだ」ぐらいのことは思っていたのかもしれない。