鼻からのど飴

　ドラえもんの作品中で、のび太が「鼻でスパゲッティを食べてみせる」と言ったりする場面がある。「目でピーナッツを噛む」のと違って物理的には可能だと思っても、敢えて自分で試すことはしなかったのだが、思いもかけず似たような体験をすることになった。

　その時はのど飴を舐めていて、飴玉はだいぶ小さくなっていた。急に鼻がむずむずしてくしゃみが出そうになった。くしゃみの予兆で「ハ、ハ、」と息を吸い込むと飴玉を一緒に吸い込み、気道に入ってしまった。だがもう止まらない。「ハクション！」で飴玉は勢いよく鼻の穴の方に突入した。

　鼻の奥に異物感。取り出そうと鼻をかんだが、ちっとも出てこない。鼻水がだらだら出てくる。すると鼻水によって飴玉が溶け出してきた。鼻の奥にメントール系の清涼感…ていうか痛てぇ！例えるなら鼻の中にメンソレータムを塗りたくったような感じだ。例えじゃなくてまさにそのものだろ！と自分に突っ込みながらうがいをする。うがいで水が入るあたりにひっかかっているのか、鼻の方に清涼感のある（痛い）水がどんどん入ってくる。涙が止まらない。痛いのを我慢して２０回ぐらいうがいを続けた後で鼻をかむと、やっと飴玉が出てきた。

　とりあえず今回の結論、私には鼻スパゲティは無理だと思った。

大長編ドラえもん1 のび太の恐竜 大長編ドラえもん 2 （てんとう虫コミックス） [ 藤子・F・ 不二雄 ]

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