横綱の条件

 横綱には品格、力量が抜群であることが求められる。従って、それが欠けてしまえば横綱失格ということになる。それを理由に辞めさせられること自体は間違っていない。

 2場所連続で負け越したとしたら、おそらく力量が横綱にふさわしくないとして引退を強要される*1。それに対して「本人が続けたいのに引退させるのは不当解雇だ」と言う人はまず居ないと思う。

 問題は品格の方だ。そもそも判断基準が無い。また、誰が判断するのかも決まっているわけではない。まぁ、重大な犯罪行為など、誰が見ても明らかに品格に欠ける行為があったとなれば問題視されるだろう。だがそこまで大きな問題であれば、横綱でなくたって普通は解雇される。

 横綱の条件として定められているのだから、力量や品格を理由に辞めさせられることは何もおかしくない。問題なのは品格の判断基準が適正であったかどうかだ。批判すべきはその点であり、横綱という特殊ケースに一般の飲酒暴行の事例を持ってきて不当解雇だというのは牽強付会ではないだろうか。

追記:
 横綱の特殊性を示す例として、「降格が無い」ということも考える必要がある。横綱昇進の判断で「強いけれど品格に欠けるから横綱にふさわしくない。」と判断されたとしても、その時点で大関であれば引退を強要されることにはならない。また、角番で負け越して大関から陥落することはあるが、横綱から大関に陥落することは認められない。引退しなくてはいけない。大関以下であれば降格で済むような事例であっても、横綱の場合に限っては引退しなければならないのである。

*1:それもたぶん負け越しが確定する前に